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2006年4月14日 (金)

荒茶工場レポート

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荒茶加工を経て、出来上がった荒茶


新茶の摘み採りが開始されたこの頃、荒茶工場の横を通り過ぎると、何とも言えないお茶のいい香りがふんわりと漂ってきます。


これは、新茶が荒茶加工されている時の香りです。

有明町の人々はこの香りに気づくと、


「ああ、今年も新茶の季節が来たんだなあ。」

と、季節感を感じるそうです。


摘み採られた新茶は、荒茶工場の中でどのような変身を遂げているのでしょうか?

昨日もお伝えしたように、摘採後の茶葉はすぐに発酵を始めてしまうため、可能な限り新鮮な状態で茶葉を蒸らして発酵を止め、葉をもみ水分量も低下させる必要があります。これらを行うことを荒茶加工(1次加工)といいます。今日は、荒茶加工の工程についてお伝えします。

品質の良い荒茶を生み出すために、どれも重要な工程です。


荒茶工程

 「茶葉の摘み採り」

  茶葉を摘み採り、茶畑近くの荒茶工場に運び込みます。


2 「送風・加湿」 

  水分の保持と茶葉から出る呼吸熱といわれる熱の低下をはかり、鮮度を保ちます。


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送風後の茶葉の状態を真剣なまなざしで見定める、福田正明さん(奥)、息子の正和さん(手前)


 「蒸熱(じょうねつ)」(重要!) 

  茶葉をむらなく蒸気で蒸して酸化酵素の働きを止め、茶葉の緑色を残し青臭みを取り除きます。蒸し時間の長さが味や香りを決めるキーポイントになります。


4 「冷却」 

  一気に冷却して色と香りの良さを保ちます。

 「揉み」

  茶葉を揉む工程は、茶葉に含まれている水分などの状態にあわせて段階を経て方法を変えてゆきます。        


葉打ち・・・乾燥した熱風を送り込みながら揉んで葉についた蒸し露を取り除き、色や香り、味わいを向上させる

                 ↓

粗揉(そじゅう)・・・乾燥した熱風を送り込みながら適度な摩擦・圧迫で揉み、水分を低下させる

                 ↓

揉捻(じゅうねん)・・・茶葉をひとかたまりにし、加熱せずに強く揉む。茶葉の組織を壊してお茶の成分を出やすくし、水分の均一化を図る

                 ↓

中揉(ちゅうじゅう)・・・かたまりになった茶葉を解きほぐし、整形しやすいように乾燥させる

                 ↓

精揉(せいじゅう)・・・人間が手で揉むように一方向にだけ揉み、日本茶独特の細く伸びた形に整える


6 「乾燥」

最後に、まだ10~13%くらい含まれている水分を熱風式乾燥で水分量5%くらいまでに乾燥させて、荒茶工程は完了!


みなさん、いかがでしたか?これが荒茶加工の流れです。

荒茶加工に関して農家のみなさんからよく聞く言葉に、

「荒茶の出来の8割は、蒸しで決まる」

という言葉があります。その理由はどんなところにあるのでしょう?私も実に気になっておりまして、そこで泰久さんに「蒸しの重要さ」についてコメントをいただきました。


「蒸熱の工程は、お茶の香りや味を大きく左右します。それに機械ではなく人間が、蒸す茶葉の香りの具合で判断して、温度や時間を設定しなければなりません。長年かかって現場で磨く、職人の感性が不可欠なのです。今年は蒸しもとても上手くいっており、おかげで新茶独特の爽やかな香りが十分にある、出来の良い荒茶に仕上がりました。」


泰久さん、今年の新茶に大きな自信があるようです。なんと、荒茶の状態で飲ませていただく事になりました。2次加工される前の荒茶を飲む事は、なかなか出来ない経験なのです。




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荒茶の出来に大満足の泰久さん


口から鼻にすっと抜ける、新茶の爽やかな香り!それに、舌の上でとろけるような、みずみずしいうま味を感じました。美味しい!!


荒茶の段階でこんなに美味しいのですから、2次加工を経て出来上がる今年の新茶、とっても期待できます!


こうして出来上がった荒茶の一部は、「お~いお茶 新茶」の原料として2次加工されるために、静岡県にある伊藤園静岡相良工場へ運ばれます。2次加工とは仕上げ加工工程と呼ばれるもので、荒茶に火入れをするなどして香りや味といった品質や見た目を、さらに向上させるための工程です。


その2次加工に関しては、また次回お伝えします。

お楽しみに!

2006年4月14日 | 茶畑生活 |

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コメント

中国緑茶は蒸しでなく、炒りです。そのせいか、お茶の成分が日本茶に比べて出にくいです。

投稿: あ洋介! | 2006/04/15 12:45:00

中国緑茶の龍井などは、茶葉が開いていないものを使っているようです。これも、成分が出にくい要因?

投稿: あ洋介! | 2006/04/15 12:52:49

この新茶の茶葉、東京のスーパーでも買えるのかな? 近くのスーパーでは、伊藤園の「お~いお茶」の茶葉は売っているみたいですが。

投稿: あ洋介! | 2006/04/15 12:58:41

茶葉の加工工程ってこんなんだったんですね~。

荒茶飲んでみたい…

投稿: eru | 2006/04/17 16:00:25