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2007年1月 5日 (金)

お茶農家の一年

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新茶の摘採前、茶葉の生育状況をチェックする鹿児島県志布志市

有明町のお茶農家 堀口泰久さん (3月下旬)


みなさん、あけましておめでとうございます!

2007年のお正月をいかがお過ごしでしょうか??今年も盛りだくさんの内容をみなさんにお届けしていきますので、どうぞよろしくお願いします。


お茶の農作業の体験レポートは、この「茶畑日記」で特に好評をいただいている記事のひとつです。これまで知らなかったお茶の農作業の内容や、お茶農家のみなさんの苦労や喜びを間近に体験でき、緑茶ファンの自分にとって、とても良い経験になりました。


お茶農家の一年(※茶産地によって、各工程、日程が若干異なります)


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(クリックすると拡大します)


今回は、これまで私が実際に見たり体験した農作業を振り返りつつ、お茶農家のみなさんが一年を通じてどんな農作業をしているのか、簡単にまとめてみます!

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「お茶農家の一年」

(鹿児島県志布志市 有明町の場合)


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【2月】 


 春整枝

整枝・・・成長にばらつきのあるお茶の葉を一定の高さに揃えて摘採の作業をしやすくするとともに、お茶の葉の品質のばらつきを防ぎます

(整枝作業に関して、詳しくはこちらをどうぞ)


 茶畑の土づくり

肥料を施すなどして、お茶の樹の生育に最適な土づくりを行います。


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肥料ふりをしている鹿児島県志布志市 有明町のお茶農家

堀口まるみさん

まるみさん「土づくりも、お茶づくりにとって欠かせない大事な作業です。肉体労働ですので大変ですが、自然の中で農作業をするのはとっても気持ちいいですよ。」

(有明町での肥料ふりの模様についてはこちらをどうぞ)


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【3月】 


■ 春の新植(しんしょく)

新植・・・お茶の幼木の植え付け作業。春のこの時期に多く行われるそうです

(新植作業の模様についてはこちらをどうぞ)


 春の遅霜対策

お茶の新芽は寒さにとても弱く、この時期の思わぬ霜には特別な注意を払う必要があります。

せっかく一年をかけて育てた新芽が枯れてしまわないよう、お茶農家のみなさんは霜注意報の出た夜には寝ずの番を行い、もし強く冷え込んだ場合は、スプリンクラーや防霜(ぼうそう)ファン(※)が正しく作動しているかを夜を通してチェックに回ります。  


※ 防霜ファン・・・霜を防ぐための扇風機


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(お茶農家のみなさんの霜対策や防霜ファンの効果に関してはこちら、スプリンクラーの効果に関してはこちらをどうぞ)


 新茶の季節に向けて工場の掃除、機械の点検など 


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【4月】 

 新茶(一番茶)の摘採 (4月上旬~5月中旬)

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新茶を摘採するタイミングは収穫量に大きく影響するため、非常に重要です。そのため、生育状況や天気予報とにらめっこしながら綿密な摘採計画を立てます。

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畑ひとつひとつの摘採の最適なタイミングを決める“現地検討会”で、真剣な表情でお茶農家の若者に指導する、有明町のお茶農家 堀口泰久さん

泰久さん 「新茶摘採のシーズンに入ると、毎日毎日が緊張の連続です。休日もほとんど無く睡眠時間も短くなるので、肉体的にも精神的にも一年で最も辛い時期だと言えるでしょう。

しかし、そこが勝負どころです。新茶の摘採はお茶農家にとって一番の喜びでもありますから。」

“現地検討会”の模様に関してはこちらをどうぞ)  


 茶工場での荒茶(あらちゃ)加工


摘採した茶葉を、荒茶工場で荒茶という状態に加工します。


荒茶・・・お茶の一次加工品のこと。摘採された茶葉を、茶産地近くの工場で時間をおかずに蒸気で蒸らし発酵を止め、さらに揉んだりして半製品にしたものです。

(荒茶加工に関するレポートはこちらをどうぞ) 


 摘採10~15日後くらいに整枝を行います


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【5月】 


■ 八十八夜 (毎年5月2日頃) 

八十八夜・・・立春(2月4日)から数えて88日目のことで、毎年5月2日頃を指します。この日に摘まれた新茶は、縁起物として特に珍重されるそうです

(八十八夜に関して、詳しくはこちらをどうぞ)


 二番茶の摘採・荒茶加工

5月下旬~6月下旬に行います。タイミング的には、一番茶の摘採からだいたい45日後だそうです。


 二番茶の摘採後、10~15日くらいに整枝を行います


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【6月】 


 梅雨時期、雨の中での農作業


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雨の中、農作業をする有明町のお茶農家のみなさん


連日の雨の中での農作業は、肉体労働の上に雨による様々な苦労を伴い本当に大変です。

(梅雨時の農作業に関するレポートはこちらをどうぞ)


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【7月】 


 三番茶の摘採・荒茶加工

7月上旬~8月上旬に行います。地域によっては摘採しないところもあります。 


■ 草刈りなど、真夏の農作業


梅雨時期に降った豊富な雨と日照で、長く伸びてしまう雑草。おいしいお茶づくりにとっては、真夏の除草作業もとても重要です。

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熱気の立ち込める真夏の荒茶工場で作業する、

鹿児島県曽於市財部町(たからべちょう)のお茶農家、田畑隆俊さん

また、この時期の猛暑の中での農作業は非常にきついものがあります。特に荒茶工場の中でのお仕事はまるでサウナ状態!

隆俊さん 「夏を乗り越えると体重がすっかり落ちていた、なんてことがよくあります。猛暑で体調を崩さないように、体調の管理には特に気を遣う季節です。」

(除草作業のレポートはこちら、真夏の農作業のレポートはこちらです)


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【8月】 


 四番茶の摘採・荒茶加工

大体8月下旬~9月に行います。地域によっては摘採しないところもあります。


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【9月】 


 土づくり 深耕(しんこう)作業など

深耕作業・・・土を深く耕し、土の状態を改善したり雑草が生えるのを防いだりします。

(深耕作業の体験レポートはこちら


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【10月】 


 10月初旬 秋冬番茶摘採開始  


秋冬番茶・・・二番茶、三番茶の摘み採りを経て秋に摘むお茶のこと。地域によっては摘採しないところもあります


【地域ごとのお茶の摘採時期一覧】

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(クリックすると拡大します)


 秋整枝


秋に行う整枝の作業で、次年度の新茶の出来具合を決定付ける特に重要な作業です

(秋整枝の体験レポートはこちら

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【11月】 


 防寒対策 


冬場に畑の土が乾燥することを防ぐ“敷きワラ作業”や、スプリンクラーの点検作業などを主に行います。


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敷きワラ作業を行う、静岡県牧之原市のお茶農家

水嶋千利(ちとし)さんと、奥様の友子さん

千利さん 「秋整枝も含め、秋から冬の農作業というのは一見地味ですが、来年の新茶に向けてとても大事な作業です。一年間、気を抜くことなく面倒見るのが、おいしいお茶を育てる秘訣です。」


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【12月】 


 スプリンクラーや防霜ファンを使用した冬の霜対策  



その他、有明町では、一番茶や二番茶の季節に寒冷紗(かんれいしゃ:お茶畑にかける黒い幕)を用いて茶葉の品質向上を図ったりします。


いかがですか?お茶農家のお仕事の一年の流れが、何となく分かっていただけたでしょうか。特に、新茶の摘採というのはお茶農家のみなさんにとってとても重要なもので、“お茶農家の一年は新茶づくりのためにある”と言っても過言ではないと思います。

今年も「お~いお茶」が手放せなくなりそうですね!

2007年1月 5日 | 茶畑生活 |

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コメント

今年の更新、ついに始まりましたね。
可愛いイラストも健在です。
堀口一族もお元気そうで何よりですね。
では、たまにコメントさせて頂きますので
ヽ|。・ω・|ノ よろしくお願いします。

投稿: moco | 2007/01/06 14:25:55